絵本の読み聞かせ2 – 種類ごとに意識して選ぶ

国語

読み聞かせ用絵本はまずは分類分けから

子供が小学校に上がるまで毎日読んだとしても限られた数の本しか読めないのです。 また、子供は一度読んだ本に似た本を選ぶという習性があるようです。 ですので、図書館に行くと必ず以前読んだものや、それと同じシリーズのもの、もしくは同じ作者が書いた本を持ってきます。注意深く周りの子供も見てみると確かに同じシリーズの本を読む傾向があるようですね。もちろん、好きな本ができて、その本を徹底して読むということはいいことだと思います。

でも、子供にいろいろな本があるってことを知ってもらい、いろいろなことに興味を持つ環境を与えてあげることが大切だと思います。絵本は一度読んだら終わりというわけではなく、同じ本を何度も何度も繰り返し読みます。同じものばかりを読むのではなく、意識的にいろいろな分野の絵本をまんべんなく読んであげることが大切だと思います。

ですので、子供が興味を持った本を読むのもいいですが、寝る前の読み聞かせタイムには是非選んだ選りすぐりの絵本を読んであげることをおすすめします。

では、どの本がいい本なのでしょうか?
ネットを調べたり、いろいろしましたがなかなか自分が思った絵本のセレクトがなかったため、自分で選りすぐりの絵本を選ぶことにしました。

まずやったことが、子供の発達について調べ、必要な絵本の分類を抜き出しました。子育て本や、絵本のサイト、絵本に関する本など図書館や本屋、それにインターネットを使って徹底的に調べました。地元の絵本選考メンバーにも参加しました。

そこで、子供が成長する過程と絵本とを結びつけて考えたのです。 この分類分けが子供の絵本を選ぶ上で非常に大事になってきました。

そして選りすぐり、購入したのが最初の50冊だったのです。おかげて質のいい本を繰り返し、沢山読んであげることが出来たのです。
さて、その最初に考えた私のいろいろな分野の絵本たちを、わかりやすく「タノガク流」に分類分けしていきたいと思います。

タノガク流〜絵本選び、はじめの一歩

絵本選びの基準を下記2つに決めました。

  1. 子供の発達を分類分けして、それぞれの発達にあう絵本をそれぞれ選ぶ。
  2. 子供の成長とともにその発達に合わせて、少しずつレベルアップしていく

というものです。

1,子供の発達を分類分けして、それぞれの発達にあう絵本をそれぞれ選ぶ。

分類は7グループに分けました。

1.単語を知る

言葉を知ることは成長の過程でとても大切なことです。 赤ちゃんは一番最初に言葉に関して興味をちますが、その言葉を意味としてではなく音として認識するのです。ですので、周りの人が話している抑揚やリズムを心地よい音として認識します。
そして、その音を何度も何度も聞いているうちに、それぞれの物に名前があり、意味が あることだということがわかってくるのです。 何度も何度も聞くうちに、これは「つくえ」というもの「ベッド」というものというように物の名前を覚えていきます。 そして次に実は物の名前だけでなく、それ以外のものすべてに名前があるということを学んでいくのです。

2.リズムを知る

日本語を身につける上で一番大事なのが、リズムと言われています。 この日本語のリズムを体で覚えていない子は小学校に上がってから文章がスラスラ読めないといいます。 確かに、私達が大きくなってから英語を勉強をして、英語のリズムがわからず、 棒読みになって、結果として、相手に伝わるスピーキングがうまく出来ない、ということが 有ります。日本語もそれと同じことです。
小さいころに沢山の日本語で沢山の本を読んでもらい、日本語の綺麗なリズムや抑揚を自然と身につけていると、小学校に上がってからの国語の勉強にも、さらに他の教科も理解度が深まり、結果勉強ができる子につながるのです。

3.情緒を育む

子供は自分が愛されていると実感できると、自己肯定する力が強くなっていきます。 三つ子の魂百までもといいます。私はこの意味を、3歳までにどれだけ沢山の愛情をもらったか、だと考えています。
そしていうなら、3歳までと言わず、小学校に上がるまでがその時期だと思っています。いかにたくさんの愛情をもらってこの時期を過ごしたかということが、その後の小学校からの成長と大きなかかわり合いがあるのです。でも、いくら親が子供を愛していたとしても、子供がそれを認識しなければ意味が無いのです。 本を通して、ああ、この気持が、自分のことを大好きでいてくれていることなんだ、ということを、絵本を通して理解することによって、情緒を育む近道となるのです。

4.物語を楽しむ

子供は不思議なもので、興味のないもの、つまらないものに関してはなんどやっても 覚えないし、成長しません。しかし、好きなことに関してはあっという間に覚えて理解していきます。「好きこそものの上手なれ」ですね。
本を読む上で一番大事なことは、本を好きになるということです。 文章を理解するということは国語だけのことではなく、算数も国語の意味が理解できなければ解けないし、理科や社会についても同じことがいえます。 学校のお友達とコミュニケーションを取るのもお互いの話が通じなければいい友達関係も築けないのです。

文章を理解するということは何をするにしても、とても大切になってきます。 特に現代はパソコンが普及して、わからないことはなんでもすぐに調べることが出来ます。色々なことを覚えることも確かに大切ですが、それ以上に文章を理解すること。そして、自分の考えをきちんと相手に伝えること。そのためには文章を論理的に整理してきちんとと相手に伝える、という能力が必要となってきます。

その能力は、高校、大学、社会人と年齢が上げれば上がるほど必要とされてくる能力なのです。いざ必要という時になって机の上で文章の構成を勉強したとしても理解するのに苦労しますし、子供の頃から培われた能力には到底追いつかないのです。
ですので、小さい頃から質の良い物語文をたくさん読むことによって、自然とその力を養うことが出来るのです。その第一歩として、質のいい楽しい物語を読むことによって、文章を読むことは楽しいことだということを感じてもらうことが大切なのです。

5.自分で考える

自分でページをめくったり、隠れているものを探したりすることはただ読んでもらっている受動態から、能動態へと変わります。 その行為は、自分で自ら次の展開を考えたり、絵を隅々まで見て考察する力を養います。通常の絵本を読んでも次どうなるだろうと考える力が養われるのです。

6.感受性を育てる

きれいなものを見て感性を磨いたり、色の仕組みを知ることができます。やっぱりきれいな絵には引かれます。産まれたばかりの子供のある実験で、2つ絵がある場合、きれいなものに惹かれる習性があると結果が出ています。いい絵をたくさん見ることは、本当にその子の感性を磨くことになります。

余談ですが、我が子供が幼稚園の頃、沢山美術館へ足を運びました。とくにゴッホの絵をたくさん見たのですが、小学校で美術の先生に「ゴッホの絵みたいだね。」と言われました。本人はまったく見た事自体覚えていなかったのですが、小さい頃に見たものはその子の奥底にしまわれているものなんだと実感した出来事でした。

7.自然を知る

自然に興味を持ち、それが理科や社会に繋がります。特に植物や昆虫、動物の本は自然をよく観察する力を養います。

以上7グループに分けました。今回分けたこの7種類をさらに細かく分けて、それぞれのグループの最初の一歩の絵本を集めたのが、「最初の50冊」になります。

次の章ではこの最初の50冊を分類ごとに紹介していきます。

「子供の成長とともにその発達に合わせて、少しずつレベルアップしていく」ことは次の機会に詳しくご説明したいと思います。

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